日本で働きはじめて、最初の給料日に「思っていたより少ない」と感じる人は多いです。求人票に書いてあった金額と、銀行に振り込まれた金額が違うからです。
これは間違いではありません。給与からは、決められたお金が引かれます。この記事では、給与明細のどこを見れば何が分かるのかを説明します。
給与明細は3つの部分でできている
会社によって書き方は違いますが、どの明細もだいたい3つに分かれています。
| 勤怠 | 何日働いたか、何時間残業したか |
|---|---|
| 支給 | 会社があなたに払う金額(引かれる前) |
| 控除 | そこから引かれる金額 |
「支給」の合計から「控除」の合計を引いたものが、実際に振り込まれる金額です。これを手取りと呼びます。
求人票に書いてある「月給20万円」は、ふつう「支給」の金額です。手取りではありません。
引かれている6つのお金
控除の欄に並んでいるのは、多くの場合この6つです。
1. 健康保険
病院にかかったとき、支払いが3割で済むようにするための保険です。残りの7割はこの保険から払われます。
保険料は会社と半分ずつ負担します。明細に出ているのは、あなたが負担する半分だけです。
2. 厚生年金
年をとったときや、病気やけがで働けなくなったときに受け取るお金のための保険です。これも会社と半分ずつです。
控除の中でいちばん大きい金額になることが多い項目です。
日本を離れるときには、納めた分の一部を請求できる制度があります。ただし請求できる期間が決まっているので、帰国が決まったら早めに確認してください。
3. 雇用保険
仕事を失ったときに、次の仕事が見つかるまでの生活を支えるための保険です。金額は小さく、給与の0.5%程度です。
4. 介護保険(40歳から)
40歳になった月から引かれます。39歳以下の方の明細には出てきません。急に控除が増えたと感じたら、この項目が増えていないか見てください。
5. 所得税
その月の収入に対してかかる税金です。毎月おおよその金額が引かれ、12月に正しい金額へ調整されます。この調整を年末調整といいます。
12月の給与で、いつもより手取りが多かったり少なかったりするのはこのためです。
6. 住民税
住んでいる市区町村に払う税金です。ここが他の項目といちばん違うところで、去年の収入に対してかかります。
そのため、日本に来た1年目は引かれず、2年目から引かれはじめます。「去年と同じ働き方なのに、急に手取りが減った」と感じる原因のほとんどはこれです。
仕事を辞めるときに気をつけること
住民税は去年の収入に対してかかるので、仕事を辞めたあとにも請求が来ます。収入がない月に請求書が届くことになるため、辞める前にいくら残っているかを会社に聞いておいてください。
手取りはだいたいどのくらいになるか
控除の合計は、支給額のおおよそ15%から25%です。扶養している家族の人数や年齢、住んでいる場所によって変わります。
目安として、支給20万円なら手取りは16万円前後になることが多いです。
求人を見るときは、この差を頭に入れておくと、生活の計画が立てやすくなります。
明細を見て確認してほしいこと
- 働いた日数と時間が、実際と合っているか
- 残業した分が支給に入っているか
- 控除の項目が、先月と急に変わっていないか
数字が合わないと思ったら、会社に聞いてください。聞くことは失礼ではありません。日本の会社でも、明細の内容を確認するのはふつうのことです。
給与明細は、保険や年金の手続きをするときにも必要になります。捨てずに保管しておいてください。
もっと詳しく知りたいとき
個別の事情によって金額や扱いが変わることがあります。正確なことを知りたいときは、会社の担当者か、次の窓口で確認してください。
- 健康保険・厚生年金のこと … 年金事務所
- 所得税のこと … 税務署
- 住民税のこと … 市役所、区役所
