給料から毎月引かれている厚生年金。「どうせ日本にずっといないのだから、払い損だ」と思っている人がいます。
日本を離れるとき、払った分の一部を受け取れる仕組みがあります。脱退一時金(だったいいちじきん)といいます。
どんな人がもらえるか
おおまかに、次のすべてにあてはまる人です。
- 日本国籍を持っていない
- 年金に6か月以上入っていた
- 日本に住所がなくなった(帰国した)
- 年金を受け取る権利をまだ持っていない
会社で働いて厚生年金に入っていた人も、自分で国民年金を払っていた人も、対象になります。
請求できるのは、出国してから2年以内
日本に住所がなくなった日から2年を過ぎると、請求できなくなります。ここがいちばん大事なところです。
帰国してから落ち着いて手続きをしようと思っているうちに、2年が過ぎてしまう人がいます。帰る前に書類をそろえておくと安心です。
いくらぐらい戻るか
金額は、加入していた期間と給料によって決まります。長く働いた人ほど多くなりますが、上限があります。
厚生年金の場合、計算に入るのは最大で60か月(5年)分までです。10年働いても、5年分までしか計算されません。
また、受け取るときに税金(20.42%)が引かれます。この税金は、あとで手続きをすれば戻ってくることがあります(次の項目)。
引かれた税金も取り戻せる
脱退一時金からは所得税が引かれます。帰国する前に納税管理人を決めて税務署に届け出ておくと、その人が代わりに手続きをして、引かれた税金を取り戻せることがあります。
納税管理人は、日本に住んでいる人なら家族でも友人でも会社の人でもかまいません。これは日本を出る前にしておく手続きです。知らずに帰ってしまう人が多いところです。
もらわないほうがよい場合もある
脱退一時金を受け取ると、その期間は「年金に入っていなかった」ことになります。
日本と自分の国が社会保障協定を結んでいる場合、日本で払った期間を母国の年金の期間として通算できることがあります。受け取ってしまうと、その分は通算できなくなります。
また、また日本に戻って働く予定がある人も、急いで受け取らないほうがよいことがあります。先のことを考えてから決めてください。
帰る前に用意しておくもの
- 年金手帳や基礎年金番号が分かるもの
- パスポートの写し(名前・生年月日・国籍・在留資格が分かるページ)
- 日本の住所がなくなったことが分かる書類
- お金を受け取る銀行口座の情報(本人名義。母国の口座でも受け取れます)
- 市区町村に出した転出届の控え
請求書は日本年金機構のホームページからダウンロードできます。多言語の様式もあります。
条件や金額は一人ひとり違います。自分の場合どうなるかは、年金事務所か日本年金機構に確認してください。
